師走の大雪

tamon-wat2005-12-23

北極が呼吸をするたびに日本列島が寒さに震えています。
喜多方の今日現在の積雪は約70CM。
雪には慣れている会津でも驚くような師走の大雪です。
まして雪には不慣れな西国では大混乱もいたしかたなしと、名古屋の積雪23CMのニュースを気の毒に見ていました。
しかし、気の毒なのは西日本の人達だけではなくて、このわが身にもとんでもない「気の毒」状態が襲ってきたのです。
昨日の朝は局への通勤途上、あちこちで車が雪に突っ込んでいるのを目撃しました。
道路と田んぼや畑との境目がまったくわからなくなるための事故です。
雪道に慣れた会津人でもこうなのですから、事故をみるたびに気を引き締めて地吹雪のなかを進みました。
放送の最中もスタジオから雪の暴れる様が見えていました。
見る見るうちに積もっていくのが見えます。
玄関を入ってくる顔はみんながみんなゆがんでいました。
若松から3時間もかかったというスタッフもいて、こりゃ帰りが心配だなあ・・・。
午後4時。
早めに局を出ました。高速道路は当然閉鎖です。
真っ白な一般道をひたすら東へ。磐梯町あたりから猛吹雪です。
猪苗代に入りました。
国道49号に出る道に入った途端、車の列は動かなくなりました。
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車も揺れるほどの風雪のなかでどんどんと時間ばかりが過ぎていきます。
私は少しあせりだしました。
ガソリンの残量が気になります。吹雪の中の大渋滞で気をつけなければならないこと。
それはガソリンが十分にあるかどうかです。
生き死にに関わってくる問題です。
向こうに見えているガソリンスタンドまでいったいどのくらいでたどり着けるのでしょうか?
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いっこうに動かない車の中で私は明確にあせっていました。
歩いてスタンドまで行こうとも思いました。
でも数百メートルの距離が普通の状態ではありません。
自分の見通しの甘さを後悔していました。
プルプルプル・・
そのとき携帯が音をたてました。
友人からの電話でした。
「いま、どこにいるんだい?雪はどうだい?」
聴きなれた声にすっと落ち着きを取り戻しました。
「いやあ、ひどいわ。郡山へ着くまであと3時間くらいかかるかも・・・」
「そうかい、気をつけて行けよ。」
短い会話で落ち着きを取り戻した私。
ええい、あせってもしかたあるめいとシートを倒して眼をつむりました。
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数百メートルを3時間。
やっとスタンドに到着です。
長蛇の列でした。
暖かい飲み物をおなかに入れると、やっと元気が出てきました。
ノロノロと動きだした車列は自速30KMくらいで進んでいきます。
中山峠を越え、熱海の街を抜けて、ようやくスムーズに走ることができました。
目的地の郡山に着いたのは何と9時を過ぎていました。
喜多方を出たのは4時でしたから、郡山まで5時間もかかったわけです。
さんざんな目にあいましたが、雪国だからしょうがないかと、ため息をひとつついてあきらめました。
雪のあるなしは大変な差ですが、それを一律に同じ暮らしや経済活動をしようというのがどだい無理な話なのです。
雪国には雪国に似合った暮らしがあります。
自然に従って生きていく大切さをけっして忘れてはいけないと、
雪のなかでも暮らしていける生活スタイルを見つける必要があると、
降り止まぬ雪を見上げてそんなことを考えていました。

いやあ、それにしても疲れましたわい・・・



  • 吹雪の止んだ下三宮です。綿帽子のような屋根になっていました。