秋便り

tamon-wat2004-10-12

いつもの散歩道であけびがたわわに実っていました。林道のすぐ脇で、手を伸ばせば誰でもが採るところにありました。台風から続く長雨のせいで人が歩かなかったせいなのか、それともあけびの実などには興味も持たなくなってしまったのか、理由はわかりませんが私を待っていてくれたのです。たくさんの実りの中から三つばかりいただきました。みなさんへの季節のおすそ分けと、仏壇の父への秋便りです。籠に入れて撮った写真ですが腕が悪くピントが合いませんでした。実りの秋の雰囲気だけ味わってください。かつて、稲刈りの頃には田んぼのまわりにもこのあけびを良く見る事ができました。稲刈りで強張った腰を「う〜ん」と伸ばすとき、あけびの実はほどよい甘さで気持ちと身体をなごませてくれたものです。あけびの種を口から機関銃のように「プププッ」と吹き出しました。稲わらのにおいと共に懐かしい秋の実りなんです。父は絵を描く人でした。大きく実った”秋”を今頃写生しているかもしれません。台風と長雨のせいで刈り入れ前の稲に発芽の被害が出始めています。各地でお腹を空かせた熊の悲劇が続出しています。豊かな収穫の秋と思っていたのに、まさしく何が起こるかはわかりません。しかし、季節は確実に進んでいます。抜けるような「秋天」に出会える日は、そう遠くはないと思います。