「古今悠々」 千年浪漫 長床の秋

tamon-wat2004-11-06

晩秋の季節になると、どうしてもこの場所へ足が向いてしまうのです。
新宮熊野神社「長床」。幾百年もの風雪に耐えてなお、堂々とした姿を見せる古色の拝殿。いま、境内の銀杏の木々があざやかなる黄色の彩りを添えて、経年の美は歓喜の絶頂に近づいています。青空が広がった今日、朝から大銀杏の老木が私を呼んでいるような気がしていました。お気に入りのデザートブーツをはいて、久しぶりの長床に向かいました。途中のたんぼはもうすっかりと収穫が済み、わらぼっちが行儀良く整列しています。古志王丘陵も紅葉の真っ盛り、広葉樹の林は錦を競っているようでした。長床にはたくさんの車が駐車していました。バスもいます。この季節の長床の良さを知っているのでしょうね。参道から見る大銀杏は、まだ青々としているようです。近づいてみると、他の銀杏達とは違っていて、少しだけ色が変わりだしたという状態でした。若い銀杏はもうすっかり黄色く色づいていて、早くも落葉し始めています。長床のもう一方の主役は決してあわててはいませんでした。ゆったりと構えていて、ゆうゆうたるものです。私は長床の主を見上げながら一年の長さと短さとを感じていました。「古今悠々」そんな言葉が脳裏に浮かんだのです。
長床の秋の絶頂は今月の20日前後。11月15日から30日頃までが見ごろでしょうね。もっとも初雪が降ってしまえば、せっかくの黄色の絨毯も雪に隠れてしまいます。この時期、会津で最も美しい晩秋を味わえる場所。新宮熊野神社長床は私が一番好きな場所でもあるのです。