雄国山秋天

tamon-wat2004-11-11

低気圧の接近で、また天気が崩れてきます。今年の秋は度々の台風と新潟中越の大地震とでなにもかも狂ってしまったかのよう、抜けるような青空の日々が続くことが少なかったですね。掲載した写真はそんな貴重な快晴の日に撮った雄国山です。磐梯山の西隣の休火山で、山頂には美しい湖沼を有し、高山植物の宝庫でもあります。特に
ニッコウキスゲの大群生はとても見事なものなのです。しかし、今年の夏はその大群生は姿を現しませんでした。原因は不明です。何か夏から秋への天候不順を予言していたかのようで、少しばかり気になっています。
こうして、刈り入れの済んだ田んぼの広がりを見渡していると、同じこの世界で地震の被害やイラクでの悲惨な状況が同時に起きていることがとても信じられないのです。まごうことなき事実ではあるのですが、我々人間とは、事態が目の前に来ないと感覚として理解できないものなのか、表立っては同情や連帯を口にしながら、実態は自らの生活に、そして現状に汲々としてしがみついています。所詮は他人事と、のたまう私と、免罪符を求める私とが表裏を一体にして存在しているのです。戦後の平和の中で育った私たちです。この平静なる日常が当たり前のものになりすぎてはいないのでしょうか。この平和は誰によって守られてきたのでしょうか。近々、イラクに向かう自衛隊諸君のなかには私の知人の子息がいます。無事であれと祈らずにはいられません。「平和の立脚するところは奈辺にありやなしや。」絶対必要なこの議論をずっと避けてきたような、そんな思いがしてならないのです。
透き通るような青空の下で、私はこんなことを考えていました。