喜多方初市

tamon-wat2005-01-17

寒に入って8日目の正月12日、喜多方では初市が開かれました。この初市は、実は喜多方では二度も開かれます。旧小荒井村分と旧小田付村分とで、毎年正月の12日に小荒井初市、17日には小田付初市が開かれますが、同じ街の中で川を挟んでの二度の「初市」ですから珍しいしきたりが残っていますね。同じような規模の村が合併したから、互いに誇りを持って開催してきたのでしょうね。全国でも珍しい「二度の初市」です。
実は私、この小荒井初市に参加してきました。参加といってもただ歩いてきたのではなく、初市の内側から参加して楽しもうと露店を出店したのです。始まりは冗談でした。喜多方のボランティア集団「あいべ」のメンバーが毎年出店しているとの話を聞いて、「うわっ、それはおもしろいんでないかい!私もやりたい!」との発言をしたのです。その場から「あいべ」のメンバーでもある蛭川さんが申し込みをしていました。予想以上の早い展開にあわてながらも、「ああっ、いい機会だからやってみようっと」。ノリの良さで出店が決まりました。販売するものに決めたのは「石焼き芋」です。移動販売では唯一保健所等の許可が不要でした。つてをたどってお釜を借り、焼き芋の勉強もしましたね。電子レンジの原理と一緒だなんて初めて知りました。実際に焼いての特訓を2〜3度。我ながら美味なる焼き芋を完成させました。使用する芋は九州宮崎産の「宮崎紅」と茨城産の「紅あずま」。食べ比べもおもしろいかなとの考えでした。
準備を整えて迎えた当日、大変な天候でした。10日から降り続く雪は12日の早朝には吹雪の模様になっていたのです。各道路は閉鎖や大渋滞が続き、これでは人出は見込まれないような吹雪でした。頬に痛いような風雪の中で初市は始まりました。例年、穏やかな天候に恵まれるとの話を信じていた私、日除けテントのような仕様で出店したのですから最悪でした。吹雪の中、吹きさらしでの焼き芋屋さんが始まったのです。FM喜多方も応援の放送をしてくれました。放送を聴きつけて足を運んでくれた方も何人かいらっしゃいました。「いつも聴いてますよ。頑張ってください。」「明快な語りがいいですね。」「本業は焼き芋屋さんだったのですか?」など、たくさん声を掛けて頂きました。そうなんです。私はこうして普段は顔の見えないリスナーの皆さんと直接顔を合わせ、直接お話をしたくて出店したわけなんです。日頃より、感じるままに、思うがままにラジオで話をしています。しかし、こころのどこかで小さな不安も存在すること、事実です。「これでいいのかなあ?」「マンネリになっていないかな?」こんな小さな不安を、直接にリスナーの方々のお顔、表情を拝見して何かをつかみたいと思っていたのです。ラジオを離れてこその一日を体験したかったということでしょうか。もちろん楽しくなければいけません。焼き芋屋さんは成功でしたね。えんえんと9時間30分。私は吹雪の中に立ち続けました。他の露天商の皆さんは「今日は駄目だよ。来年頑張りましょうや。」なんて言ってお酒を飲んで体を温めている人が多かったようですが、私は楽しく焼き芋を売ることができました。売り上げは2万円くらいでした。出店費用を考えますと+−ゼロというところでしょうか。天候の左右される露天の商いも厳しいものです。
吹雪の中のきつい一日でしたが、私には何人ものリスナーの方の顔と言葉が残りました。大収穫ですね。そして、露天商に目覚めた私、また機会があれば出店してみたい、いい天気のもとで商売をしてみたいとウズウズしています。もしかすると、次はあなたの街でワタアメなんか売っているかもしれませんよ。そのときは必ず声を掛けてください。待っています。
楽しい「初市」の報告でした。


写真は初市当日の昼前の状況です。手前にあるのが私の軽トラ焼き芋屋さんです。
この後雪はどんどんひどくなりました。