春の気配

tamon-wat2005-02-25

関東地方に春一番が吹いた23日、ここ喜多方では雪が断続的に降り続き、堅く締まった雪の上にまた新しい雪が積もりました。暖かい地方からは梅の花の開花や、伊豆では河津桜が咲いたとのニュースまで伝えられていますが、会津の地ではまだまだ冬の領域です。
しかし、眼を凝らして見れば冬景色の中にもかすかな春の気配を感じること、あるんですね。この新しく降った雪でさえも、もう春の雪です。水分をたっぷりと含んだ春の雪が雪解けを呼んでくるのです。そういえば朝晩もだいぶ過ごしやすくなってきました。あったかい布団から出るときも、そんなに抵抗感もなくなってきています。見渡せばまだ白一色の世界ですが、ゆっくりと、そして確実に春は近づいているようですね。
来週は高校の卒業式になります。たくさんの人生が「別れ」と「旅立ち」を迎えるのですが、出来うれば「名残りの雪」や「涙の雪」がそのアルバムを飾ってくれるといいですね。雪国らしい「名残り雪の別れ」を天は演出してくれるでしょうか。
放送の合間をぬって、大好きな下三宮集落へ行ってきました。見渡すかぎりの雪原のなかに下三宮集落は埋もれているように見えます。集落の中に入ると暮らしのにおいに気がつきます。幾百年も続いてきた暮らしのにおいを感じます。たくさんの農家蔵は雪に埋もれてひっそりと立っています。足元では早くも水の流れる音がしていて、雪解けを容易に想像させています。長靴を履いてゆっくりと集落を歩きました。雪の雫が規則正しく軒先から落ちています。長靴の下で雪はべちゃべちゃと音をたてます。今日の喜多方ではまだこの雪の奏でる音だけが春の気配を感じさせてくれます。季節のはざまで、季節の移り行く様を探した私の試みは、ちょっと早すぎたようでした。でも、眼には見えないところで春は静かに近づいてきています。湿った雪の真っ只中で、私は確かにそう感じていました。


  • ラーメンの食べ比べ

先週の土日は喜多方雪祭りでした。目玉は全国各地のラーメンの食べ比べです。友人や知人たちは日頃食べなれた喜多方ラーメンとは違った美味しさを求めて「名古屋コーチン」やら「博多ラーメン」やらのはしごにお腹をふくらましたそうなんです。Aさんなどは二日間にわたって5杯のラーメンを食べつくし、しばらくはラーメンを見たくもないなんて言ってました。いやはやつわものですね。
各地のラーメンを食べたみんなの感想を聞いてみました。驚くことに皆が皆、「やっぱり喜多方ラーメンが一番美味しい。」と言うのでした。もちろん食べなれているせいが一番の理由とは思いますが、それにしても喜多方ラーメンのレベルの高さは否定できるものではありませんね。かくいう私ですら、他所で食べるラーメンには少し物足りなさを感じてしまうのです。かくして本日もランチはラーメン。今日は「ぽんぽこ」に行ってみました。朝食が6時30分と早かったのでお腹はペコペコです。カレーセットにしてもらいました。高校生みたいにガツガツと食べてしまいました。美味しかったのです。
日本全国に美味しいラーメンはあまたあります。だけど喜多方ラーメンもはずすことのできない美味しいラーメンの街なのです。まだいらっしゃっていない方は今年こそ喜多方においでください。お待ちしています。
では会津弁で・・・「喜多方に来てくなんしょ。」


  • 写真は「下三宮集落」の農家蔵の冬景色です。平日の午後はひっそりとしていて時間が止まっているようです。足元の掘割だけが音をたてて豊富な水が流れていきます。まもなく来る雪解けの季節を感じさせてくれました。