雨中の秘湯にて

tamon-wat2005-07-01


深い山中の温泉宿は強い雨に降り込められていました。
私はゆかたの裾を気にしながら、傘をさして川原の露天風呂をめざして坂道を下っていきました。
ぼんやりと雨に煙る露天風呂には私ひとりです。
眼の高さを流れる渓流が夜目にも白く、頭に当たる雨さえもここちよく感じます。
透明なお湯にどっぷりと浸かって、私は眼を閉じて先ほどまで打ち合わせをしていた仕事のおさらいをしていました。
強くなってきた雨に頭上のタオルもびしょぬれです。
「そろそろ・・・」と眼を開けた瞬間でした。
「!?」
電燈のあかりをかすめて何か大きなものが飛んできたのです。
それは四角い座布団のように、虚空を滑るかのように飛んできて、
私の眼の前をかすめ、栃の大木の幹にへばりついたのです。
「あっ、むささび!」
まごうことなきむささびでした。
ヤツは大木の幹をスルスルスルッと登っていきます。
と、
二股になったところで急に止まると、小さく声をあげた私の方を見やりました。
赤い眼が二つ、無言の会話です。
「お〜い、雨が降って良かったなあ。」と私。
「なんだい、こんな雨の中で風呂なんて?」と、むささび。
一瞬の会話を済ませると、ヤツはもっと高い梢を目指して暗闇の中へ消えていきました。

梅雨入りとは名ばかりの天気が続いていました。あのむささびも久しぶりの雨を喜んでいたに違いありません。
いやっ?
もしかすると、この雨は彼ら森の住民たちの雨乞いの結果なのかもしれませんね。

とにもかくにも、嬉しい嬉しい雨が降りました。


7/1〜9/30の間に実施される表記キャンペーンですが、
会津各地は受け入れ体制も万全で、次第にその全貌が見えてきました。
喜多方ではたくさんの催し物が目白押しですが、今日は私が個人的に興味を持っている「仏都会津・喜多方」〜信仰の里を歩く〜についてお知らせしましょう。

「新宮熊野神社長床」、「願成寺会津大仏」、「中善寺薬師如来」など、古来仏教が盛んであった会津喜多方には、何百年もの時間が凝縮した仏教文化遺産が存在します。
この文化遺産をじっくりと鑑賞できる機会が用意されたわけです。
喜多方市内の旅館や熱塩温泉・日中温泉・大塩温泉の各旅館が協力して「仏都会津まほろばツアーin喜多方」というパックツアーを提供しています。
宿泊・交通手段・拝観料をセットにしたお得な仏都めぐりです。
ご利用をご検討ください。
約2時間のタクシーによる仏都めぐり、一泊二食付き(税込み)、そして拝観料まで含まれているわけですから、実にお得ですね。
期間も長いのでこれは見逃せない企画だと感心しています。
料金は喜多方市内の旅館が12,000円。
温泉旅館が14,000円となっています。
どちらにも「まほろば手拭い」が付いてきます。

そうそう、忘れるところでした。
食べる楽しみにも見逃せない情報がありますよ。
喜多方老麺会主催の「麺食らう街を1,000円で食べつくそう」です。
7/3、9/25の両日限り、11時〜15時の4時間の間、喜多方老麺会の参加店を巡り、何杯食べられるかを競うのです。一店舗につき醤油ラーメン一杯をスープまで完食が唯一の条件だそうです。優勝者は「喜多方ラーメン大使」に任命され、副賞として「一生ラーメン無料券」を頂けるということ。一生喜多方ラーメンが無料になるとは豪勢なものです。
申し込みは会津喜多方商工会議所「蔵の街喜多方老麺会」事務局0241-22-5921まで
ごめんなさい、今確認したら7/3は締め切りましたとのこと。
狙うは9/25ですね。
それにしても、やっぱり人気は高いのですね。もう少し若ければ挑戦したのですが・・・


  • 佐藤総合農園

無農薬、減農薬をモットーとする佐藤総合農園に行ってきました。
代表者の佐藤次幸さん、なんと私と同い年。
食についてのこだわりを種々教えていただきました。
そして農園のハウスを自由に歩かせていただきました。
「実っているトマトやきゅうりを自由に食べたり、もいでもいいよ。その代わり、野菜一個につき雑草を一本引っこ抜いてね。」なんて代表者よりもえらい面川女史が言ってくれます。奥様は優しく眼を細めていました。
お言葉に甘えて、まだ国内では珍しい品種のトマト「スーパー愛子」を頂きます。
どんぐり形のミニトマトは驚くほど美味しいのです。
きゅうりもスーパーで売っている日持ちの良い品種ではありません。
「うちのきゅうりは三日目にはクタクタになっちまう」と佐藤さん。
農薬の心配が無いので、痛いほどのとげを払ってガブリッ!
みずみずしさときゅうり特有の香りが口中に広がりました。
ズッキーニやらレタスやらたくさん摘み取ってしまいましたが、そのぶんはしっかり雑草も抜いてきました。土の手入れがいいので雑草は簡単に抜けるのです。
この佐藤農園の存在は静かに広がっています。
しかし、まだ十分とはいえません。私も微力ながらこうして安全な食にこだわる人を応援したいと思っています。
一年を通じて300種類くらいの作物を栽培しています。安心の野菜、ドレッシングでごまかされない野菜の本来の味をお知りになりたかったら、この佐藤総合農園にご一緒しましょう。
もちろん、雑草抜きはしなくちゃいけませんぞ。




写真は佐藤総合農園のトマトハウスです。収穫の喜びにひたっているのはFMきたかたで放送した「故郷温故知新」の相方ほしゆきえさん。野菜をごっそりゲットしてご満悦でした。