さくらんぼ

tamon-wat2005-07-16

先日、FMきたかたに、熱塩加納村の加藤農園さんからさくらんぼの差し入れがありました。
真っ赤なさくらんぼの実はお皿の上で季節を表現しています。
大粒の果実を口に入れると、甘酸っぱい香りが広がって私を至福へと導きます。
局のスタッフと一緒に、かわいらしく、美味しい夏をいただきました。
幸福の顔を見合わせていると、さくらんぼ泥棒のニュースを思い出しました。
収穫時になると、一晩にごっそりととっていってしまう泥棒の横行に毎年頭を悩ませているようです。
産地ではいまだに夜間の見回りが欠かせないとのこと。
世に盗人の種は尽きまじ・・・といったところでしょうか。
もっとも昔からこのての泥棒はいたようで、
「まんまろき 月の上がりし 西瓜番」なんて俳句もありました。
「西瓜番」とか「瓜番」という文言が立派な季語になっているのですから、いまよりもずっと貴重品だった西瓜や瓜は、さしずめ現代のさくらんぼに値したのでしょうね。
昔も今も人間のしでかすことに大差はないようで、おかしくもあり、かなしくもあり、人間の本性と文明の発展とはまったく無関係なのだなあと溜め息をひとつ。
かくいう私でさえも、子供のころは川での水遊びに疲れると、近くの畑からキュウリを失敬してきては小腹を満たしたこと数え切れないほど。
まあ、洟垂れ小僧のかわいい盗みと大人のお目こぼしにあずかったのでしょうが、好い時代に少年期を過ごせました。
大人になってもそんな調子では困るわけで、さくらんぼの季節が終われば、次はお米の季節にお米番が出動するようになるのでしょうか。今年こそそんなニュースを聞かない年でありますよう願っています。
さくらんぼ。
昔は「桜桃」と呼んでもいました。
夏を味わう素敵な宝石です。


  • 今朝の恋人坂

高みから見下ろす会津盆地は、梅雨の合間の陽光に輝いていました。
「緑の絨毯」(青田)が日に日に厚みを増して、そよ吹く風の動きを写しています。
飯豊の山塊は雲に覆われたままですが、あと10日もすれば残雪も鮮やかな夏の姿を見せてくれるに違いありません。季節のピークを迎える期待感でいっぱいです。


  • 郷土料理「志ぐれ亭」

喜多方市の郊外に位置する下三宮地区。
農家蔵の美しい集落と少し離れた田んぼのまっただ中に「志ぐれ亭」はあります。
会津喜多方の郷土料理を楽しめるこの料亭は、どう見ても田んぼの真ん中の大きな農家にしか見えません。
それもそのはず、実際、昭和の初めに建てられた豪農の家をそのまま利用して料亭に生かしているのです。
大きなレンガ蔵を二つも従えて、堂々と母屋が立っています。雪深いこの地にあって珍しい赤瓦葺き。内部の造作を見ると納得します。尺を超える柱や梁が私たちを圧倒します。廊下はケヤキの大板を敷き並べ、波打つ大正ガラス越に肥沃な田んぼの広がりがこころを清々とさせてくれます。
この料亭を経営なさるのは志村和子さん。
「おかみさん」と呼ぶほうが喜多方ではわかりやすい方ですね。
料理の腕はもちろんのことですが「おかみさん」にはもうひとつすばらしい魅力があるのです。
それは郷土史研究家ということ。
古文書などを研究して、さまざまな切り口で会津喜多方の歴史を語っていただけます。
現在も会津デスティネーションキャンペーンの催しで大活躍されている様子。
志ぐれ亭にいけば、美味しい郷土料理とともに「おかみさん」節を聞けるかもしれません。
「おかみさん」はFMきたかたでも郷土史の番組を担当していました。
同じ歴史好きとして彼女の話を聞くのはとても楽しみでした。
料理も「おかみさん」も喜多方の魅力であること、間違いありません。
こんな喜多方の楽しみ方も頭の片隅に置いておいてください。

写真は「志ぐれ亭」です。建物の迫力を表現できませんでした。
実物をごらんになると、きっと驚かれると思います。