遅い紅葉

tamon-wat2005-10-15

このところ低く垂れ込めた雲が居座っていて秋らしい高い空を仰ぐことができませんでした。
磐梯山も例外ではなく、山裾を通る度に見上げてはいるのですが、美しい姿には御目にかかれませんでした。
昨日の磐梯山は青空を背景にすっきりとした全身を見せてくれていました。厚い雲の中で随分と念入りな化粧を施していたのでしょう、肩から上は華やかに赤く染まっています。
私は車を止め、久しぶりの彼女をしばらくの間見続けました。
標高にして約1000m付近まででしょうか。朝の光を受けて燃えるように輝いている様は、青々としていた姿からいきなりの変身です。少し驚きでした。


10月に入ってもセーターを着ない日々が続いています。
昨日は一日中、野外での労働をしたのですが、なんと暑くてTシャツ一枚になって仕事をしていました。
夕方になって畑仕事から帰る農婦と立ち話。
今年はキノコが不作でまだ口にしていないとのこと。
確かに我が家でも秋の味覚は栗ご飯、そしてサンマ。
まだ美味しいキノコには出会っていません。
紅葉にしろ、キノコにしろ、例年より10日ほどは遅れている様子で、これも地球温暖化の表れかと、こんどは夕陽に染まった赤い磐梯山を見上げてため息をひとつ。
蟷螂の斧に等しい私の努力ですが、私にできうることを続けようと、小さな決意もひとつ。


ともあれ、会津デストネーションキャンペーンの効果もあって、会津には例年を上回るお客さんが訪れてくれました。喜多方では17%増とのこと。
秋本番になって、会津の美しい紅葉をも見ていただきたいと思うわけなのですが、青空のもと美しい紅葉風景の出現にいささか気をもんでいたわけなのです。
今日あたりからは、また天気が下り坂。
この雲が過ぎてしまえば、私たち自慢の紅葉風景が目前に広がります。


紅葉は幾千年も、幾万年も繰り返されてきた「生命の輪廻」であります。
大いなる自然の懐で生命の輪廻を感じてみてはいかがでしょうか。
きっと、
たくさんのささやきがあなたを包み込んでしまうかもしれません。


やっと、
紅葉の日々がやってきました。



  • 秋の青空を眺めて (河東町郊外にて)

労働の後、心地良い風を受けて畦道でのランチを楽しみました。
身体の芯からのほてりを冷ますべく草に寝転びます。
抜けるような青空にうろこ雲が浮かんでいました。
仲間との談笑も止んで、気がつけば皆ウトウトと彷徨っているようでした。
私はひとり、啄木なんぞの詩を思い出しています。
「おおっ、50歳のこころでも空に吸われるようだわい。」
ひとりごちて笑みがもれます。
そのとき、ふと気づきました。
会津の青空には飛行機雲は見当たりません。
ちょっと離れた中通り地方では空港もあり、上空には北へ向かう航空路もあります。
それゆえ中通りでは青空には飛行機雲が当たり前なのです。
会津の空に飛行機雲を見ることはめったにありません。
ということは・・・
そう、会津の空は、ずっと昔のままの青空です。
何百年も、何千年も続いてきた青空です。
「この空は貴重かも・・・」
私はひとり嬉しくなって、大きく伸びをすると、こんどは本当にまどろみのなかに入っていきました。


  • ジモッティ(喜多方市民)のいくラーメン店

久方ぶりの書き込みです。書かなかったからラーメンを食べなかったのではなく、相変わらず、しこしこと一人ラーメンを食べ続けています。
最近は「さくら亭」とか「さゆり食堂」とか「ポン太」とかなじみのお店にいくことがおおいのです。慣れきった味なのですが飽きませんね。不思議です。
そんな近況なのですが、先日初めてのお店に行って参りました。
そのお店の名は「まる食堂」
なんと、酒販店の一角を利用してのラーメン店なのです。
酒販店としては喜多方地方一番に免許を受けたという90年を超える歴史を持ったお店なのです。
趣味が高じてというわけではないのでしょうが、出てきたラーメンは黄金色に澄んだスープと中太の麺が絶妙のハーモニィを醸しだしています。
さすがにレベルの高い喜多方ならではの味に仕上がっていました。
ご主人のAさん、温厚な笑顔で話しかけてくれました。
お客さんの迷惑にならないようなタイミングでの話しかけです。
商売や、人生そのものの経験の深さを感じるもてなしですね。
喜多方は蔵とラーメンの街ではありますが、忘れてはならないのが酒造文化です。
現在も9軒の造り酒屋が技を競い合っている日本酒文化の街。
まる食堂のご主人に喜多方のお酒のお話なんぞをおねだりして、ちょっと違った喜多方をおしりになってはいかがでしょうか。
場所は、喜多方駅から駅前通りを北に直進。最初の交差点を右に、30メートル歩けば右側にあります。お勧めの一店です。



  • 多聞のひとりよがり俳句

秋という季節に思うところありまして、柄にもなく俳句らしきものに挑戦しております。
首をかしげるような句ばかりですが、これも等身大の私です。お付き合いください。

 田の上を 吹く秋風も 色づけり

 秋風や 稲穂の香り 運びけり

 この年も 幾十日ぞ 初紅葉

 帰り道 釣瓶落としの 頼りなさ

 秋の夜や 太鼓の音が 流れくる

 来し方を 思いつつ見る 月見かな


刈り入れの済んだ田んぼでは、稲わらを焼く煙が立ち昇っています。
通りすがりに稲藁を焼くにおいがすると、どこか懐かしい思いがして思わず立ち止まってしまいます。
懐かしい人に出会ったような、そんな感覚に似ているのです。
香りの記憶とは不思議なものですね。
そういえば今宵の月こそ「後見の月」。
旧暦9月13日の十三夜さんですね。
会津は雨模様です。このままでは「片見の月」になってしまいそうですね。
何とか顔を出してくれるといいのですが・・・


  • 珍しく忙しくなって、ついブログの更新をかまけてしまいました。

リスナーの方からお便りを頂いて、話題の最後に「ブログを更新してください・・・」と書いてありました。
お若いリスナーの方でしたが、番組を聴いていただいているだけでなく、このブログをもお読み頂いているとは・・・
とても嬉しく思っております。
けっして名文でもなく、表現にも乏しい文章ですが、自然体のままで背伸びすることなく続けていきたいと思っています。
「スカイウォーカー」さん、ありがとうございました。感謝!


  • 写真は13日の磐梯山です。青い空にちょっとだけ白雲がかかっていて紅葉を引き立てていました。同じ日、飯豊の山塊もくっきりと山容を見せてくれました。万年雪がきれいでした。まもなく錦秋の日々。めぐる季節の懐にすっぽりと包んでもらいましょう。