秋深し

tamon-wat2005-10-30

今日は旧暦9月28日、「長月」と呼ばれる月も終わろうとしています。
明後日から始まるのが「神無月」。
八百万の神々は出雲までの旅の支度におおわらわといったところでしょうか。


朝のまどろみがいとおしくてたまりません。
目覚ましを止めて、「あと10分・・・」
朝の冷気が増しつつある今日この頃、今年も布団の暖かさへの未練を感じるようになりました。
紅葉前線もだいぶ里へ降りてきました。
深まる秋をそこかしこで感じています。


私の好きな恋人坂。
いつもたたずむ場所は決まっていて、そこには一本の柿の木が立っています。
数日前に初冠雪の日を迎えた飯豊の山々は、青空に向かって孤高の頂きを屹立していました。
ふと頭上を見上げると、柿の実が赤く色付いていて、中にははや熟しているものまであるようです。
赤い柿の実と、盆地の対岸に遠く、そして白く光る飯豊の山塊。
青い空を背景にとても美しい風景でした。


毎年繰り返される光景ではありますが、見る度に新鮮なる感動を覚えること。
一年の短さを知らしめること。
過ぎ行くことをなぞり、行く末に思いをはせる。
私をして生きる時間の句読点を打たせるような、そんな思いのする風景なのです。


私は生きていく重みと、風景の美しさとに、おおきく深呼吸をしました。
恋人坂の風景は、私を励ましたり、慰めたり、ときには一緒に喜んでくれたり、
私にはかけがえのない風景なのです。


晩秋の恋人坂には、はや冬のにおいが漂っていました。


 「冠雪の 山を背にして 柿熟れる」



喜多方シティFMでの私の番組「アコースティック・タイムトリップ」。
懐かしいフォークソングやニューミュージックとリスナーや私の思い出、季節のエッセイでつづる一時間です。
リスナーの年代は40代から上の方、毎回熱心に聴いてくれる人もいてわたしも張り切って担当しています。悩みは音源の不足。
古いレコードとかカセットテープとかの世代ですので、「ああ、あの歌あったよな・・・」
なんて思い出しても万事休す。
なかなか入手できずに悔しい思いをしています。
復刻版のCDなどを集めてはいるのですが思うようには進んでいません。
でも、自分自身のコレクションでもあると思って、あきらめずに頑張ります。
金延幸子
ご存知の方もいらっしゃることと思います。
フォーク創成期を彩った方の一人ですね。
ユーミンの先駆けのような人でした。
「み空」、「時にまかせて」いい歌がありましたね。
私も少し持ってはいるのですが、まだまだ探しています。
どなたか「LP持ってるよ・・・」なんて方がいらっしゃいましたら、ぜひコピーさせていただきたいと思っています。
彼女は現在アメリカ居住。ときどきは帰ってきてコンサートをしているようだとも聴いていますが、情報はそこまで。
霧の向こう側で幸せな暮らしをしていると、そう思っているのです。

秋の深まりとともに、なんだか古い曲が無性に聴きたくなっています。
今、私の車のなかでは「はっぴいえんど」、「遠藤賢司」とか「五つの赤い風船」なんかが演奏してくれてます。
懐かしい曲を聴くと、一瞬にして「あの日」に行ってしまいますね。
そんなタイムトリップをあなたもいかがですか?



写真は裏磐梯、小野川湖に注ぐ川の紅葉です。紅葉も日ごとに里へ降りてきています。