磐梯山にも冠雪

tamon-wat2005-11-13

去る8日の夜から9日の朝にかけて、磐梯山や吾妻スカイライン、土湯峠などに初めての降雪がありました。
例年より半月ほど遅い初雪でしたが、実際に白くなった磐梯山を見ますと「ああ、冬が来たなあ」と感慨ひとしおになります。
里は紅葉の真っ盛りですが、季節風が吹き始める度に裸木になっていく様を見ると、やはり胸の中にも寒々と風が吹いていくような、そんな思いにかられます。
もっともそんな感傷とは別に、風に散った落ち葉を畑や庭に鋤きこむべくせっせと集める人もいて、毎年ながら晩秋から初冬にかけての風物詩だわいとばかりに眺めてもいます。
新宮熊野神社の長床でも、あの大銀杏は色づき始めたようですが、まだまだ見ごろは先のようです。黄色の絨毯が敷き詰められた1000年のたたずまいは、なんといっても素晴らしいものです。
長床に腰を下ろして、大銀杏の落葉を静かに見守る。
1000年の時間に包まれるあの安堵感はいったいなんなのでしょうか。
晩秋の仕上げには長床大銀杏の落葉こそがふさわしいと、私はそう思っているのです。



11日には土湯峠を越えました。
道の両側には雪が積もっていて、ダケカンバの白灰色の木肌を寒そうに見せています。
標高1200mのあたりは一足先に冬の領域です。
車の外に出ると、容赦のない季節の風が私を突き刺しました。
一切経山や吾妻小富士、安達太良の峰々も白いお化粧をしています。
鷲倉、野地、新野地、幕川などの個性あふれる温泉も終わりの賑わいを見せていました。
最後の紅葉や、「秋と冬」との二つの季節を撮影しようと、カメラを抱えた人も目立ちましたね。
よく見ると、彼らの大半は中高年の方々です。
豊富にある時間を、ようやく趣味に費やすことができる喜びが、私にも伝わってきます。
私の明日はどんなになるのだろう?
願わくは彼らと同様の喜びにまみえることができますように・・・
立ち寄り湯の誘惑を振り払って、私はまだ未練のある晩秋へ向かって山道を下り始めました。


「 落ちる葉に 露光らせて 冬に入る 」


  • 写真は恋人坂からの白い飯豊山です。

空は青く澄み、白い山塊はこの上なくきれいでした。
ふと頭上にあった柿の赤さを取り入れたくなって、柿の赤さと白い飯豊を写してみたのです。絵心とは無縁の私ですが、美しいものへ気がつく私でいたいものです。