ブライアンとベロタクシー

喜多方ラーメンの名店である「長谷川食堂」。 そこのお嬢さんをお嫁さんにした変なアメリカ人ブライアン君。 美味しいラーメンを食べようと入店したら、バンダナ鉢巻をした青い眼の青年が「ヘイッ、いらっしゃい!」。 ちょっと驚きますよね。 普段は英語教…

さなぶり

「さなぶり」と話しても意味が通じない時代になりました。 「さなぶり」、「早苗振る舞い」の転訛と思料します。 私の少年時代にはみんな説明など必要もありませんでしたが、最近では「何それ?」と怪訝な表情をされてしまうことが多くなってしまいました。 …

「ひめさゆり」と共同風呂

会津北方の初夏を彩る花のひとつに「ひめさゆり」があります。 漢字で書くと「姫小百合」、「乙女ゆり」とも言いますね。 高山植物の一種で、飯豊山系・朝日山系などの限られた地域にのみ自生しています。 ご覧のとおりとても可憐な花で、最盛期の群生地に足…

もうひとつの「靖国神社」問題

中国や韓国における反日運動が大きく報道されました。かの国の真意が奈辺にあるのやらは不明ですが、いずれにしろ自分に都合の良い「歴史認識」を押し付けたり、歪曲された史実とやらを強制してきたりとか、まったく困った隣人たちであります。 戦後の日本が…

瑞穂の国

夕刻、恋人坂を上がって振り向くと、美しい景色が広がっていました。傾きかけた陽の光を浴びて、盆地は一面の光り輝く湖になっていたのです。小寒い日々が続いていました。カーディガンを着たり脱いだり、朝晩にはストーブのお世話にもなりました。季節の変…

「山笑う」そして「雪形」

毎年この季節になると春の山々を見やるのが私の楽しみになっています。身近な里山は歳時記に出てくる「山笑う」という様相。遠くの高山は残雪が美しく輝き、「雪形」が出現して私の眼を楽しませてくれるのです。 「山笑う」、遠く中国北宋の時代から言われて…

黄金週間の終了

今朝は重い足取りで仕事に向かった方々がたくさんいらっしゃったのではないでしょうか。長い、長いゴールデンウィークでしたね。皆さんはどんなお過ごし方をされたのでしょうか?さぞや思い出がいっぱい詰まった休日にできたことと思います。私?私はビンボ…

春爛漫

喜多方の郊外を流れる川には雪白(ゆきしろ)と呼ばれる濁った水が満々と流れています。飯豊山や周囲の雪山から流れてくる雪解けの水は地表にも地下にも豊富に流れ、水の街喜多方を支えてきました。山のようにあったあの雪は、いまやすっかりと姿を消し、雪…

春望

長い間白と黒との色彩に覆われていた会津盆地も、三寒四温の波をくぐってようやく花の季節を迎えようとしています。一日一日と大きく聴こえてくる雪解けの水の音や、雪囲いをはずす金槌の音、そして北へ帰る白鳥たちの編隊などを見聞きすると、間もなく訪れ…

春の気配

関東地方に春一番が吹いた23日、ここ喜多方では雪が断続的に降り続き、堅く締まった雪の上にまた新しい雪が積もりました。暖かい地方からは梅の花の開花や、伊豆では河津桜が咲いたとのニュースまで伝えられていますが、会津の地ではまだまだ冬の領域です。…

「雨水」の喜多方

今日は二十四節気のひとつ「雨水」ですね。今日を境に空から降るものが雪から雨に変わり、雪や氷は溶けて水になる。忍び寄る春の気配に草木がよみがえるという意味です。 喜多方はいまだに深く積もった雪や氷に覆われていますが、今日を境に除々に溶け始め、…

車中にて(その2)

東京近郊の街を眺めていて気づいたことがもう一つありました。それはシャッターが閉まったままの店舗や、テナント募集の張り紙のある建物が意外に多いということです。「シャッター通り」とは田舎の代名詞にあらずして、東京近郊の街にまで及んできてしまっ…

車中にて(その1)

先日、所用あって東京近郊の街を訪ねました。久しぶりのバスに乗って立川、国分寺近辺の街並みを眺めることができたのです。 先ずは車中にて、都や各市から無料パスをもらっているのでしょうたくさんの高齢者が乗車していました。彼らは降車の際にはおしなべ…

冬晴れの喜多方

時折訪れる青空をまぶしく見上げていました。立春を前に寒さの厳しい毎日です。冬という季節の美しさを見つけましょうなんて言っていた私が、すっかりと「こたつむり」になってしまっていました。 久しぶりの青空に誘われて、長靴をはいて出かけてみたのです…

吹雪の中で

のんびりとすごしたお正月が過ぎた頃から雪掻きが日課となっています。暖冬かな?と思っていた12月でしたが、冬将軍は確実にやってきました。寒の入りは1月5日、寒入りしたら途端に本格的な雪の毎日となったわけです。前回お知らせしたように喜多方初市…

喜多方初市

寒に入って8日目の正月12日、喜多方では初市が開かれました。この初市は、実は喜多方では二度も開かれます。旧小荒井村分と旧小田付村分とで、毎年正月の12日に小荒井初市、17日には小田付初市が開かれますが、同じ街の中で川を挟んでの二度の「初市…

謹賀新年

明けましておめでとうございます。旧年中は「喜多方三昧」をお読みいただきまして誠にありがとうございました。新しきこの年にも読者の皆様の頭上には、あまねくご健勝と幸せとが降り注ぎますよう、こころからお祈りを申し上げます。 さて、年末のあわただし…

額中の美

京都や奈良の名だたる庭園を訪れると、「静なる庭園観賞」すなわち座したままで庭園を楽しむことの眼福をあらためて知ることができます。障子や襖を取り払って、柱、長押、敷居や縁などの直線をもって額となし、内側である座敷から庭園を眺めれば、庭園はあ…

暖かい師走

初雪の便りから、はや10日も経ちました。寒波はいっこうに訪れず、過ごしやすい日々が続いています。山のスキー場も人工降雪機が活躍していますが、なにぶん気温が高いため作るそばから溶けていくという悲しい状況です。スキー場の収支は12月の売り上げ…

ハロッズに喜多方の酒が並んだ

去る11月10日、遠くロンドンの地で日本酒の試飲会が開かれました。高級百貨店ハロッズの店頭です。日本の酒蔵4社が参加したこの試飲会では、「米で作った酒がこんなにフルーティだとは・・・」との驚きの声があがったそうです。この試飲会で飲まれたお…

飯豊山初冬

白冠を頂く飯豊山を朝な夕なに見上げる日々となりました。この巨大な山塊は会津盆地を優しく抱き、育み、見守る母なる山なのでありますが、こうして白きたおやかな峰々に姿を変えると、むしろ神々しくさえ思えてくる、そんな気品に満ちた名峰だと思っていま…

初雪だより

昨日、11月30日の朝は雪で始まりました。初雪です。例年より10日ぐらい遅いとのこと。それでも久方ぶりの銀世界に「ほうっ、」とばかりに眺め入ってしまいました。毎年のことですが、この初雪をみる気持ちというものは期待と諦観とが微妙に混じりあっ…

冬支度

暗い朝を迎えています。目覚めればまだ夜半と安心する耳に、牛乳ビンのぶつかる音や新聞配達のバイクの音などが入ってきて、夢心地の暖かさから引き離そうとたくらんでいます。布団の恩恵に浴さない鼻先が今朝の寒さを感じ取っていて、「あと10分・・・」…

黄金の舞い

音も無く黄金の末廣が舞い落りている。 私は古い拝殿に腰をおろしてぼんやりと落葉を見つめている。 今を舞う大銀杏の落葉と、 幾百年の沈黙を守る古色の拝殿と、 過去と現在とが優しく私を包んでいる。 ゆっくり、ゆっくりと安堵感が浸していく。 母の胎内…

雄国山霧中

会津盆地は深い霧に包まれていました。仕事を終えて帰途についた私の眼に、霧の海に浮かぶ雄国山が飛び込んできました。それはあたかも大海を進む鉄(くろがね)の船のようで、じつに雄雄しく迫力のある軍艦のように思えたのです。いつもの雄国山は雄大な山…

百代の過客

晩秋の終章を飾るもの、それが新宮熊野神社「長床」にあります。 秋と冬とのはざ間にあって、過ぎ行く季節を惜しむかのように、いま「長床」は美しく輝いていました。700年もの沈黙を守る拝殿と、「いま」を過ぎようとしている大銀杏の落葉とが、歳月の移…

雄国山秋天

低気圧の接近で、また天気が崩れてきます。今年の秋は度々の台風と新潟中越の大地震とでなにもかも狂ってしまったかのよう、抜けるような青空の日々が続くことが少なかったですね。掲載した写真はそんな貴重な快晴の日に撮った雄国山です。磐梯山の西隣の休…

晩秋の雑木林

ついこの間まで色づいた葉がきらびやかな錦を織り成していたのに、ふと気がつけば林の中は陽の光であふれ、仰ぎ見れば澄んだ秋の青空がまぶしいほどに私の眼を射しています。足元にはふんわりと、暖かそうな落ち葉の絨毯が出来ていて私の歩みを優しく受け止…

「古今悠々」 千年浪漫 長床の秋

晩秋の季節になると、どうしてもこの場所へ足が向いてしまうのです。 新宮熊野神社「長床」。幾百年もの風雪に耐えてなお、堂々とした姿を見せる古色の拝殿。いま、境内の銀杏の木々があざやかなる黄色の彩りを添えて、経年の美は歓喜の絶頂に近づいています…

裏磐梯秋色

10月下旬から11月上旬にかけて、裏磐梯は燃え立つような秋の色に染まります。 数多くの湖沼とあいまって、その秋色の風景は私たちをひととき感動の境地へと誘うかのようです。 とある先日、快晴に誘われて裏磐梯へと足を伸ばしました。高原の紅葉の歩み…